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派遣法についての具体例その2

トップページ » 派遣法についての具体例その2

2017年6月29日

2015年改正法では「新しい派遣期間制限」が設けられましたが、
今回の設例では、X派遣会社の派遣労働者Aさんが、
派遣先Y社にて3年間を経過したのちも経理課という
同一の部署で同一の派遣労働をしていたため、
少なくとも個人単位での派遣期間制限違反がありました。

この場合、違反を知っていた派遣先に対しては、2012年改正法で
設けられ、2015年改正法で内容が修正・追加された
「派遣労働者に対する直接雇用みなし制度」が適用されます。
派遣労働者が承諾しさえすれば、派遣先との間で直接雇用契約が成立します。

Aさんは承諾をしましたから、派遣先Y社とのあいだで
直接雇用契約が成立しました。

この制度によって成立する雇用契約の内容は、
従前の派遣元とのあいだで存在していたものと同じと
されていますので(40条の6第1項)、
Aさんのそれは、期間1年間の有期労働契約である、
ということになります。

さて、この続きです。
派遣元で3年間を超えて雇用されていたAさんは、
みなし制度で入社したY社でも引き続き仕事をして、
さらに2年間が経過しました。
通算で5年を超えて有期雇用契約を繰り返し更新して
労働を行っていたことになります。
「有期労働契約」「繰り返し更新」「5年超え」
という文字がならびました。

多くの方が、2014年改正労働契約法による「有期雇用の無期転換制度」を
思い出されたはずです。
(2017年1月27日号 労働契約法-無期転換ルールの初歩 PART1

これは、有期雇用契約が繰り返し更新され、5年を超えた場合には、
その有期雇用労働者は、使用者に対して、雇用契約を期限の定めのない
無期契約にするよう申し込むことができ、この申込みに対しては、
使用者はそれを承諾したものとみなす、という制度です。

有期雇用契約が繰り返し更新されて一定期間が過ぎれば、
労働者としては、「きっとこれからも働けるだろう」という
期待感がわきます。他方、使用者としては、有期契約としながら、
更新を繰り返して結果として長きにわたって雇用するのであれば、
いっそのこと実態に合わせて期限の定めのない雇用契約にすることが
公正で合理的だと考えられます。
これがこの制度が設けられた趣旨です。

さて、元X派遣会社の派遣労働者であり、いまはかつての派遣先であった
Y社の有期雇用労働者となったAさんは、X社とY社での有期雇用契約が
繰り返し更新されて5年を超えたので、「無期転換」を申し込みました。
これは認められるでしょうか?
結論は「NO」です。

まず条文をみましょう。改正労働契約法18条の冒頭には
「『同一の使用者』との間で締結された2以上の有期労働契約の
契約期間を通算した期間が5年を超える~」となっており、
使用者が同一であることが求められています。
X社とY社との契約を通算することはできないことになります。

このことは、2015年9月30日に発せられた労働契約申込みみなし制度に
関する通達でも確認されています。
(職発0930第13号の4ページ参照。
この通達は、申込みみなし制度の細かい点について説明していて有用です。
http://www2.inter-works.jp/20170623_01.pdf

前述しましたように、無期転換制度の根底には、
「現実には労働者に長く働いてもらっているのに、
契約上は有期のものを繰り返しているのは実態に合わず、
好ましくない」という考えがあります。

たとえば、4年間の有期契約が繰り返されえたあとに
別の会社に転職した人が、そこでさらに1年を超えて働いたとします。
両方通算して5年を超えたからとして、転職後の会社に対して
「無期転換制度を申し込む!」と言ったらどうでしょうか?
転職後の会社はなんら非難に値するようなことはしていません。
このような場合にまで無期転換を強制させるのは酷というものです。

このようにみますと、無期転換制度の根底にある考え方が当てはまるのは、
一定期間を超えて更新を繰り返して雇用している「同一の使用者」
であるということになります。
Aさんの主張は通らないことがわかりました。

以上、三回にわたって解説した事例問題ですが、答えにたどり着きました。
改正法関連の非常に重要な制度が絡んだ事例でした。

条文が重要なのはもちろんですが、各制度には、
「なんでこの制度を作ったのか」という制度趣旨があり、
これを把握することが、制度の正しい理解につながります。
よく復習しておいてください。
2015年8月28日号 制度趣旨―違法派遣における申込みみなし制度にからめて(パート2)―

補足:
無期転換制度については、労働者による申込みがあった場合に、
使用者による「承諾があったとみなす」というかたちになっています。

これに対し、違法派遣等におけるみなし制度は、派遣先による
「申込みがみなされる」ものでした。
この違いは以下のように理解できるでしょう。

契約は、申込みがあって、それに対して承諾がなされることによって成立します。
この点、違法派遣等のみなし制度の場合、違法行為を知って
派遣を続けさせた派遣先に対する強い非難があり、
「制裁」の意味があります。
したがって、派遣先の意思に反してまでも、いきなり申込みが
あったことにしてしまうという建てつけになっていると考えられます。

これに対し、無期転換制度のほうは、そこまで非難すべきものではないので、
制度を活用するかどうかを労働者の意思に委ねる意味で、
労働者の申込みというアクションがワンクッション
はさんであるのだと考えられます。


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